コラム ・
久しぶりの連絡が気まずくならない相手の条件
連絡しなきゃと思いながら、間が空くほど連絡しづらくなる。あの気まずさの正体は空白そのものではなく、空白を説明しなければならない気がすることです。
連絡しなきゃ、と思ったまま何ヶ月か経つ。そのあいだに、連絡するハードルだけが上がっていく。
1ヶ月なら軽く送れたのに、半年経つと何を書けばいいか分からなくなる。1年経つと、もはや送らないほうが自然な気がしてくる。間が空くほど連絡しづらくなるという、明らかに損な構造です。
気まずさの正体
気まずいのは、連絡していなかったこと自体ではありません。
空白を説明しなければならない気がしていることです。
久しぶりに送るなら、なぜ連絡しなかったのか、この間どうしていたのか、なぜ今なのか。全部に答えを用意しないと送れない気がしてくる。そして用意できないので、送れない。
実際には、受け取る側はそんなものを求めていません。求めているように感じるのは、こちらが自分に課しているだけです。
気まずくならない相手には、条件がある
誰に対しても平等に気まずいわけではありません。何年ぶりでも普通に送れる相手がいます。共通点は3つです。
1. 近況報告から始めなくていい
前提を共有しなくても本題に入れる相手には、そもそも説明の工程がありません。「例のあれ、まだ続いてる」で通じるなら、空白を埋める作業が発生しない。
この工程が残っている相手ほど、久しぶりの連絡が重くなります。説明しなくていい範囲が積み上がっているかどうか、という話です。
2. 一度、崩れたところを見せている
整った姿しか見せていない相手には、整った状態で連絡しないといけない気がします。近況が言いにくい時期なら、なおさら送れない。
逆に、情けないところをすでに見られている相手には、その準備が要りません。取り繕う必要がない相手が、いちばん連絡しやすいのはこのためです。
3. 相手も同じくらい連絡していない
これがいちばん効きます。
片方だけが連絡を送り続けている関係だと、送っていないほうに借りが溜まります。この非対称が罪悪感になって、返しにくさに変わる。お互い連絡していない関係のほうが、実は再開しやすいのはこのためです。
連絡が来ない=関係が終わった、ではない
もうひとつ、覚えておくと楽になることがあります。
関係を維持するコストが下がりきると、その関係は意識に上らなくなります。気を使わなくていい相手は、気を使っていないぶん、思い出す機会も減ります。
つまり、いちばん気楽な相手ほど連絡が途切れやすい。これは関係が薄くなった証拠ではなく、むしろ手がかからなくなった結果です。順番が逆に見えますが、実際にはこうなっています。
間が空いたあとの、送り方
実用の話をします。やらないほうがいいことが1つと、やるといいことが3つ。
謝罪から入らない
「ご無沙汰してしまい申し訳ありません」「全然連絡できてなくてごめん」。
丁寧なつもりで書くのですが、これを最初に置くと、相手も「いやいやこちらこそ」から始めないといけなくなります。気を使わせるところから会話が始まる。空白は、触れなければ問題になりません。
用件がないことを、そのまま書く
用件を作ろうとすると送れなくなります。ないなら、ないと書いてしまうほうが早い。
- 急にごめん、ふと思い出したので
- 特に用事はないんだけど、元気にしてる?
- これ見て◯◯さんを思い出したので送りました
思い出したきっかけを1つ入れる
「元気ですか」だけだと、相手は返事の材料がありません。何を見て思い出したのかを添えると、そこから会話が始められます。きっかけは何でもよくて、具体的でありさえすればいいです。
返事が来なくても、拒否ではない
久しぶりの連絡に返事が来ないとき、たいていは「返す文面を考えているうちに時間が経った」だけです。こちらが連絡できずにいたのと、まったく同じ理由で止まっています。
だから、返事が来ないことを結論として受け取らないほうがいい。1回で判断せず、しばらくしてもう一度、軽いものを送るくらいでちょうどいいと思います。
先に埋めるほうが、たぶん得
間が空いた関係は、どちらかが動かないかぎり、そのまま静かに終わります。悪いことは何も起きていないのに、ただ終わる。
それを止められるのは、気まずさを引き受けて先に送った側だけです。そして送ってしまえば、たいてい思っていたより普通に返ってきます。ハードルが高かったのは、こちら側の頭の中だけだったという結末が、いちばん多いパターンです。